メディアの新しい基準を作る

雑誌の時代からウェブメディアの時代へ。インターネットが普及して以降、あらゆる領域でメディア環境が大きく変化し、多くの情報がリアルタイムで共有されるようになりました。社会的なニュースにおいても、音楽や映画の最新情報、アーティストや作家の細やかな動向においても、ほしい情報がスムースかつスピーディに手に入る。メディアが伝える情報の量と速度が飛躍的に上がったことは、ユーザーにとって大きなメリットです。しかし一方で、対象を深く掘り下げ、読み手の心を震わせるようなーー換言すれば、かつて「雑誌」が体現してきたような読み応えのある記事がウェブ上には少ないのではないかーー。

そんな問題意識から、株式会社blueprintが2013年7月に立ち上げたのが、総合カルチャーメディア「リアルサウンド」です。音楽から始まり、映画や動画、小説や漫画など、カルチャーの各領域において、専門的な知見と批評性を深めたテキストを通じて、カルチャー体験を共有することを目的としてきました。

変化の激しいメディア環境を正確に分析し、その利点を活かしながら、雑誌のように編集のスパイスを利かせてジャーナリズム的な価値を追求していく。それは大きなチャレンジでしたが、現在、多くの読者に親しまれるメディアとして、実を結びつつあると自負しています。

当社はウェブ事業とともに、出版社として書籍事業にも力を入れており、こちらも目的は一貫しています。小説や評論、あるいは漫画という伝統ある表現の価値は、情報環境の変化で失われるどころか、近年でますます高まっています。読書の楽しみや、書籍から得られる知的体験の価値。それを現在のメディア環境のなかで広く伝え、さらに盛り上げていくことも、当社の重要なミッションです。

自律的で、公正な視点に立ち、根源から考える。株式会社blueprintはそうした運営指針に基づき、リアルサウンドを起点にさらなるチャレンジを続けていきます。

代表取締役
神谷弘一